縮毛矯正・・・薬剤とアイロンの熱を使って強いクセでもストレートにする技術です。梅雨に向けて、毎年5月ころから縮毛矯正は増え始め、沢山の方が助かっている技術だと思います。
縮毛矯正のダメージは、美容室のメニューの中では非常に高く、より技術や専門知識を持った美容師にお願いしたい技術の一つです。
そんな縮毛矯正ですが、よく「縮毛矯正とカラーは一緒に出来るの?」とか「順番はどっちが先の方が良いの?」などの質問をいただきます。
今日は「縮毛矯正とカラーは同時に出来るの?順番はどっちが先?」をテーマに、美容師歴20年以上、オーナー兼現役美容師の私が縮毛矯正とカラーリングの関係についてご説明しようと思います。
分かりやすい説明を心がけておりますが、分かりにくい場合は質問など遠慮せずにいただければと思います。よろしくお願いいたします。
【縮毛矯正とカラーは同時に出来るのか?】
結論から先にお伝えしますと、
「出来ます。」
縮毛矯正とカラーリングは同時に出来ます。
現在は化粧品に分類されるパーマ液、カラー剤が発売されておりますので薬事法上も問題ありません。
どちらかが「化粧品」に分類される薬剤であることが条件ではありますが、問題なく大丈夫です。
例えば)
・縮毛矯正の薬が化粧品分類である。
・カラーリングの薬が化粧品分類である。
・どちらも化粧品分類である。
この場合は問題ありません。
通常、今まで多くの薬剤は医薬部外品でした。
この医薬部外品同士の同日の施術は薬事法で禁止されております。
とは言いましても、実際の現場では時間や手間暇など同時施術する場合も数多くあります。事実、私も同時施術する場合もあります。
おそらくほぼ全ての美容室の現状ではないでしょうか?
ではなぜネットも含めて、「パーマとカラーは別の日に分けた方が良い」と言う情報が飛び交っているのでしょうか?
解説していきましょう。
なぜ縮毛矯正(パーマ)とカラーは分けた方が良いと言われているのか?
①薬事法で決まっているから。
先ほどもお伝えしている通りで、医薬部外品同士の同日の施術は出来ません。
これに関しては、美容師がどうこう言っても何も変わりません・・・
残念ながら、法改正が追い付いていないだけですね。
それでも法律である以上、オフィシャル的には「分けた方が良いです」と答えることになります。
実際、薬事法ではありませんが、美容師法では「施術者は白衣の着用」を義務図けていますからね。白衣来てる美容師は今いませんね。。。
いるとしたら少し変わった美容室でそれを売りにしてるか、昔ながらの美容室や理容室になるでしょう。
と言う具合に、一応法律上決まっていることはありますが、現状ではこれに関してはほぼ見過ごされており、取り締まることはありません。
実際の現場の状況は理解しているのだと思います。
②同日の施術だと痛むから。
おそらく多くの美容師の意見はこれだと思います。
一番言われたことのあるセリフですよね。
一度ダメージした髪の毛は自分で元の健康な状態に戻りません。
死滅細胞ですので、ダメージは常に足し算です。
ですから、同日にやるより、時間を置いてから施術をしたいというのが通例となっております。
しかし、あくまでも個人の見解ですが、
ダメージに関しては、個人的にはあまり変わらないと思います。
別の日に施術するために、傷んでしまった髪を数日置いたところで、基本的なことは変わりません。
置くことによって、ダメージが回復するわけでも御座いません。
ダメージの蓄積に関しては同日でも、数日後でも差がないと思っております。
本音はそれよりも・・・
③薬剤の効果が薄まるから
きっとこれが一番ですね。
ダメージよりは、どちらかが甘くなるから(薬の効果が弱くなってしまう)ではないでしょうか?
実際、ストレートを先にやりその後カラーリングをすると、クセが戻りやすかったり、カラーを先にやると色の退色が進んだりします。
繰り返しではありますが、ダメージに関しては、個人的にはあまり変わらないと思います。
が、やはり施術に関しての仕上がりは甘くなります。
正確には多くの美容師の意見は、「痛み」よりも、「甘さ」ですね。
縮毛矯正が直ちに落ちることはありません。
しかし、ストレートの薬剤を反応させてすぐにアルカリ性のカラー剤を塗布するとなると、若干クセが戻る場合があると考えるのが普通です。
ですから、それぞれの技術自体をより安定させたい場合は、別々がおすすめとなります。
ただし、オフィシャルとして、「縮毛矯正とカラーリングが同日に出来るか?」に関しては、どちらかが化粧品分類(もしくはどちらも化粧品分類)であれば問題はありません。
とお伝えしておきます。
【順番はどっちが先?】
基本的には縮毛矯正が先となります。
カラーリングが後です。
理由は簡単です。
縮毛矯正の薬剤の方が強いからです。
①施術によっては順番が変わることもあります!
ただし、いくつかのパターンがあります。
・根本のリタッチのみの場合(白髪染めは除く)
この場合はリタッチが先の方が良いです。
理由としては、髪の毛の状態を合わせた方が薬剤の反応を合わせやすいため。
要は、「黒いままの毛」と「カラーリングされている毛」の状態で縮毛矯正するよりも、根元から「カラーリングされている毛」にした方が薬剤の反応がスムーズでやりやすいですからね。
・毛先までカラーリングする場合
この場合は、縮毛矯正が先です。
後にした場合・・・ほぼ落ちます。
最近は弱酸性の縮毛矯正剤もありますが、私の判断としてはやはりカラーリングが落ちます。
・白髪染めの場合
リタッチも含めて、カラーリングが後です。
先ほどもお伝えしておりますが、落ちます。
②参考までに
基本的にはカラーリングが後になりますが、縮毛矯正をしている髪の毛はカラーリングすると色の仕上がりが濁ります。
これは仕方がないです。
本来の毛髪内部を操作してストレートにします。
初めにお伝えしている通りで、強い作用の技術です。
その後のカラーリングが少し鮮度が落ちるのを覚えておいても良いと思います。
【まとめ】
【縮毛矯正とカラーは同時に出来るのか?】
・出来ます
どちらか、または両方が化粧品に分類されている場合は薬事法上も問題ありません。
【順番はどっちが先?】
・根元のリタッチのみカラーリングが先をおススメします。
・毛先まで染める場合、白髪染め全般はカラーリングを後におススメします。
(ちなみに)
・縮毛矯正をした髪の毛のカラーリングは鮮度が落ちるので、濁りやすいです。
いかがだったでしょうか?
今回は「縮毛矯正とカラーは同時に出来るの?順番はどっちが先?」
でした~。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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