美容師にとって、売り上げは人気の証です。
誰もが売り上げトップになってカリスマを目指すことでしょう。
その売り上げは給料に直結する大切なものです。
多くの美容師の給料は、「歩合給」と言って売り上げに比例して給料が上がるシステムになっていますが、実際のところ「歩合給」ってどんな感じなの?知りたいですよね。
今回は「美容師は歩合給で年収がどんどん上がる!?」をテーマに、美容師歴20年以上、オーナー兼現役美容師の私が、美容師の歩合給について解説していきたいと思います。
最後までどうぞよろしくお願いいたします。
【美容師の歩合給ってどんなもの?】
美容業界だけでなく、様々な職種でも「歩合給」という給料システムがありますが、これはそもそもどんな仕組みを指しているのでしょうか?
歩合制とは一言でいうと、成果や出来高、業績に応じて支払われる給料のことです。
あらかじめ設定されている固定給とは別に、会社の売り上げに貢献することでその成果に比例して貰うことが出来るのが「歩合給」となります。
美容師の場合には、売り上げや指名数やによって歩合給が変わってきます。
また「インセンティブ」と表現する会社もありますが、多くの美容室の場合は、意味合いは同じで成功報酬ということです。
ホントは、細かく言うと歩合制は1人につき○○円といった報酬が発生するのに対して、インセンティブだと1ヶ月の売り上げが○○円以上だとボーナスが支給される、といったシステムなので実際は微妙に違いますが、ここでは気にせずに。
では本題です。
美容室の給料は2パターン。
①基本給+歩合給
②完全歩合給
ほとんどがこの2つのどちらかです。
細かい部分の、「通勤手当」、「役職手当」などはいったん置いておいて、基本の給料の部分を見ていきましょう。
【基本給+歩合給】
これも2パターンあります。
①基本給15万円+歩合給(20%)
②基本給25万円+歩合給(10%)
大体平均してこれくらいです。
基本給が安いと歩合の比率は上がるし、基本給が高いと歩合の比率は下がります。
多くの美容室では、そのレベルごとに選ぶことが出来るので、細かい部分はそれぞれの会社に確認してください。
①基本給15万円+歩合給20%
歩合給の割合が高い場合。
月間売上150万円:15万円+30万円=45万円の給料
月間売上100万円:15万円+20万円=35万円の給料
月間売上70万円:15万円+14万円=29万円の給料
歩合給の比率が大きい分、売り上げが上がった時の報酬が大きいのが分かります。
反対に下がった時の給料の減り具合も大きいです。
②基本給25万円+歩合給10%
基本給の割合が高い場合です。
月間売上150万円:25万円+15万円=40万円
月間売上100万円:25万円+10万円=35万円
月間売上70万円:25万円+7万円=32万円
反対に上がった時の給料の増加具合が少なくなります。
基本給のある美容室の歩合は、大体10%~20%です。
売り上げが100万円であれば、同じ給料でも歩合によって変わるのが分かりますよね。
美容室によっては、1年ごとに選ぶことが出来るお店もあるので、細かい部分は確認が必要になります。
その他にも給料に影響する手当てがあるので、見ていきましょう♡
【美容師の役職手当】
美容室には「チーフ(副店長)」「店長」「技術ディレクター」「マネージャー」のように基本給と歩合給の他にも役職によって手当が加算され給料になります。
どのサロンでも「チーフ」「店長」の手当はあるので今回はこれを見ていきます。
基本的には、基本給が低いお店の方が役職手当が高く、基本給が高いお店ほど役職手当が低い傾向があります。
どのお店でも150万円ほどの売り上げになると、何かしらの役職(チーフや店長など)になります。
例えば、
チーフ(副店長)手当 |
店長手当 |
|
基本給の高いお店い |
3万円 | 10万円 |
基本給の低いお店 |
10万円 | お店の売り上げの3% |
私の知っているお店はこんな感じです。
基本給の高いお店でも店長手当が10万円ほどになります。
(自身の売り上げが150万円の場合)
基本給25万円+歩合給15万円+役職手当10万円=50万円の給料
しかし、基本給の低いお店の方の店長になると、お店全体の売り上げの3%が手当として加算されますので、
(これはサロンの規模によって比率は変わりますが、月商1000万円ほどのサロンだと3パーセントくらいでしょう。)
もしお店の月商が1000万円の場合
基本給15万円+歩合給30万円+店長手当30万円=75万円が給料となります。
年収でも900万円ほどです。
自分の売り上げを200万円まであげると、年収でも1000万円越してきます。
夢がありますよね。
その代わり売り上げが上がらないスタイリストはずっと低い給料のままです。
反対に、基本給の割合が高いと、売り上げの高い低いに限らずある程度の収入があるので、スタッフも安心して生活することが出来ます。
が、役職になるにしたがって、やることも多いが給料が上がらない傾向があります。
これは売り上げが上がらない場合でも、全体で補填しているため仕方がないことですね。
どちらを選ぶかは自由です。
給料で選んでも良いし、教育システムで選ぶのも良いでしょう。
お金が全てではないですが、努力の評価の一つが給料です。
その他にも「完全歩合」と言って基本給の無い給料システムがあります。
【基本給なしの完全歩合給!!!】
基本給が無い歩合給の場合、歩合率は「60%」ほどになります。
非常に高いですよね。
悪くても50%以上の割合で歩合給となります。
しかし、この場合、「アシスタント無し」のサロンになります。
上で解説しているサロンは、アシスタントの補助を受けながら、スタイリストとして売り上げを上げるシステムのお店ですが、完全歩合給のお店はアシスタントがいません。
全て自分で施術する変わりに、歩合給が高いのです。
アシスタントを使わないので、同時に複数の人数をこなすことは出来ません。
そうするともちろん今までのように売り上げを上げることは出来ないですが、その分歩合が高いのが特徴です。
・完全歩合60%
月間売上60万円:完全歩合給36万円、年収432万円
月間売上80万円:完全歩合給48万円、年収576万円
月間売上100万円:完全歩合給60万円、年収720万円
自分一人での施術ですので、1日数名しか担当できませんが、顧客を持っている美容師なら完全歩合の美容室も面白いのではないでしょうか?
完全歩合の特徴の一つとして、働き方も自由になります。
沢山のスタッフの一人ではなく、自分一人で売り上げを上げるので、いくら休んでも、何時まで働いても自由です。
料金を高く取っても、いくら割引しても自由です。
全て自分の責任です。
しかし、もう一度来店してくれないと死活問題です。
どこに時間とお金と労力を使うのか考えるのも楽しいでしょう。
大きなサロンとなると、役職に就くのも椅子取りゲームです。
そこを目指さずに、自分らしい仕事環境やお客さまとの関係性が合う人は良いのかもしれません。
【給料が安いのはなぜ?】
今まで解説した通りで、決して美容師の給料が安いとは言い切れません。
しかし美容師は給料が安いと言われるのはなぜでしょう?
これは、家族を養うために30代を過ぎると転職してしまう男性が多いからだと言われております。
30代以降の男性が転職することで、若い美容師や女性の割合が多くなり美容業界の平均給料が上がらないのが原因です。
女性の場合ですと、結婚や子育てで、パートのような働き方になるスタッフも多いです。
実際に30代の美容師の平均給料は25万円前後で、家族を養っていくには少し厳しい数字ですよね。
30代になった時、続けるか転職するか、きっと迷うでしょう。
美容師になるのに努力をした人はほとんどいません。
学校に入るのも簡単ですからね。
しかし、多くの高給取りのサラリーマンやその他職業は、高校受験、大学受験を経験し、就職試験も経験してきてるのです。
美容師もその分、就職してから切磋琢磨して、3年、5年とわき目もふらずに走り続けることが大切です。
どこかで努力をしないと、簡単には生きていけないと言うことですね。
【まとめ】
美容室の給料体系は、基本給+歩合給がメインです。
アシスタントを使わないサロンでは完全歩合で売り上げの60%を貰えるところもあります。
また、決して美容師の給料は低くはありません。
低いのは本気で学ぶことをしなかった美容師です。
日本の平均給料のトップはお医者さんです。
1300万円ほどです。
あくまでも平均ですが、お医者さんになるのには、夜遅くまで塾に通い、休みでも勉強して、医大に入り、更に6年間勉強して医学試験を取ります。
美容師でもそれくらい勉強できれば、間違いなく1000万円にとどくくらいは美容師でも稼ぐことができます。
若いうちは遊びたい年ごろですが、没頭して練習に励んでください。
難しいことですが、決して無理ではありません。
皆様の将来が明るいことを祈っております。
今回は「美容師は歩合給で年収がどんどん上がる!?」をテーマにして解説していきました。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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