美容師国家試験の「実技試験」は、美容師の仕事の基本となります。
限られた時間の中で、基準を満たす仕上がりにしなくてはいけません。
試験管の厳しいチェックと、当日の緊張と、何が何だか分からなくならないように、事前にチェックしておきましょう。
今回は「実技試験」に特化して、「【美容師国家試験】実技試験の流れと合格基準!」をテーマに解説していきたいと思います。
最後までどうぞよろしくお願いいたします。
【美容師国家試験】実技試験の流れと合格基準!
実技試験は「衛生実技試験」と「美容実技試験」の2つに分けられています。
「衛生実技審査」
「衛生実技審査」と言うのは、技術に入る前の準備段階のことなどを指しています。
技術試験の準備は、試験官の「始め」の指示に従って準備を開始します。
準備て順としては、
①消毒薬(除菌用ウェットティッシュでも可)・汚物入れを出す。
②ビニールシートを敷く・雑巾を用意する。
③手指消毒をし、使用したウェットティッシュは汚物入れに入れます。
④クランプを出して、ウィッグを取り付け、カットで使う道具を並べます。
この時、道具の向きも揃えましょう。
(この時カットに使う道具以外を出すと減点になりますので間違えて出さないように注意しましょう。)
⑤ウィッグを濡らし、オールバックに整えます。
(使用途中の道具は、「使用中」のトレイに置きます。間違って「使用後」に置いてしまうと使えなくなりますので注意しましょう。)
⑥残り1分のコールで、「消毒済タオル」を取り出してウィッグの顔についた水滴や髪の毛は綺麗に拭き取ります。
⑦使用したタオルとタオルを入れていたビニール袋を、上からウェットティッシュ、袋、タオルの順番になるように汚物入れに綺麗に入れます。
(ちょっとした扱い方も審査の対象になります。めんどくさいなと思うかもしれませんが、それが国家試験です。)
学校で習ったとおりに、黙々と準備すれば問題ありません。
準備中に衛生委員が回って来て、ひとりひとり爪をチェックされます。
自分のところに回ってきた時は1度、作業を中断して「お願いします」と一言添えて手を出します。
手の甲と、手のひらを見せたら、試験官が「確認しました」と言うので、「ありがとうございました」と言います。
試験官は回りながら、ウィッグも同時に見て回っています。
規定に沿っているか?加工はしてないか?ひどく汚れていないか?などを確認してますので、もししっかり拭いても落ちない汚れがあれば事前に試験官に申し出ておきましょう。
ここまでで準備完了です。
繰り返しですが、細かいと思う気持ちも分かりますが、これが国家試験です。
正直・・・そこはあまり深く考えずに、淡々と準備しましょう。
続いてカットやセットの技術をみる「美容技術審査」について、詳しく紹介していきます。
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第1課題「カット」
美容技術審査は第1課題と第2課題に分かれており、第1課題は「カット」でレイヤーカットになります。
試験当日は緊張すると思いますが、練習の成果が発揮できるように深呼吸して落ち着いて取り組みましょう。
・カット審査の流れ
試験時間は20分です。
20分経過したらウィッグの顔のふき取りや、使用済みの道具を所定のトレイにへ置きます。
もちろん「使用済み」のトレイに置きましょう。
そこまでが終わると仕上がり審査に入ります。
・カット方法や規定は?
仕上がりはレイヤースタイルという、上が短く下へいくほど長くなるヘアスタイルです。
ちなみに「レイヤー」とは「重なり合う」と言う意味で、髪の毛が重なりあって見えるので、レイヤースタイルと言います。
上が短いからレイヤーではありません。
また、セニング(スキバサミ)やレザー(カミソリ)の使用は禁止されており、一般的なハサミでウェットでのブラントカットに定められています。
道具とスタイルが決まっていますが、上から切ろうが、下から切ろうが手順の審査はありません。
しかし、トップの長さは約10cmなど、細かい長さの指定がありますので、基本的には、学校やお店で習った通りに切るのが合格への近道になるでしょう。
カッティング審査のポイント♡
審査は「ヘムライン」「レイヤーカットのつながり」「左右のバランス」「毛髪の長さ」「条件違反」の5項目に分かれています。
減点方式で、カットの減点が40点以上になると不合格となります。
例えば、40点の配点がある「レイヤーカットのつながり」という項目で、トップからサイドへのレイヤーの繋がりが悪かった場合に「マイナス5点」と言うように減点されていきます。
こういった減点がいくつも重ならないように注意しましょう。
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第2課題「セット」
続きまして、第2課題です。
第2課題の「セット」は①ワインディングと②オールウェーブの2種類があり、そのどちらが当日の課題になるかは1ヶ月ほど前に発表されます。
発表されてから、当日までに集中して練習に取り組むことが出来るのは安心ですね。
第2課題の減点は50点なので、それ以上の減点で不合格となります。
「ワインディング」と「オールウェーブ」の違いは?
ちなみに私はワインディングが良いな。(笑)
理由は、仕事で毎日のようにやっているから。
ワインディングと言うのは、ロッドを使ってパーマを巻く作業になります。
これは実際に現場でもほぼ毎日やることなので、試験とは関係なくても慣れておくと良いでしょう。
反対に、オールウェーブというのは1930年代に流行したパーマのことで、ジェルのようなセットローションを使って作るパーマになります。
現在ではほとんど使わなくなった技術ですが、出来るようになっておくと、将来新しいスタイルを模索する時に何かのヒントにはなりますので、しっかりと覚えておきましょう。
セッティングローションとカールを使って髪全体に7段構成でパーマをかけていきます。
慣れない作業ですので、ワインディングよりも苦戦する人も多く、最も難しい課題とも言われています。
なので、第2課題が「ワインディング」になった年は、受験生もラッキーと思う人は多いでしょう。
「ワインディング」の条件&審査のポイント
【条件】
ロッドの本数はショートロッドを含め50本以上55本以内という条件があり、巻く場所によってロットの長さも決められています。
巻く方向なども決まっているので、事前に審査内容をしっかりチェックしておきましょう。
【ポイント】
審査は「全体のバランス」「ステムの角度と方向」「シェープ」「輪ゴムの掛け方」「残り毛」「条件違反」の6項目に分けて審査されます。
ただし!ロッドの配置と太さが指定どおりに巻き収められていない場合、一気に40点減点されるので要注意です!
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「オールウェーブセッティング」の条件&審査のポイント
【条件】
ノーパート1段のオールウェーブを、フィンガーウェーブとピンカールによって構成することが基本となり、1段目~7段目まで、どのカールを使って、どんな構成にするかも事細かに決められています。
個人的には、技術試験の中で1番教わった通りにやるのが良いと思う技術です。
馴染みがありませんので、工夫する余地もなく、ただただ教わった通りにやるだけで、私の時はワインディングでしたので、ホッと一安心したことを覚えています。
【ポイント】
減点方式や合格基準はワインディングと同じですが、審査のポイントは「全体のつながり」「フィンガーウェーブ」「ピンカール」「ピニング」「条件違反」の5項目になります。
ここで最も注意しなければいけないのが、「スタイル構成」です。
完成後、補助ピンが残っていたり、技術の条件で指定された箇所にフィンガーウェーブやピンカールが作られていない場合、一気に30点減点されてしまいますので気をつけましょう!
技術試験は上手い下手ももちろん大切なのですは、試験の規定の条件に合っているかということも、試験では重要なポイントになります。
細かな部分が多いので上手くできるか心配になってしまった人もいるかもしれませんが、大事なのは繰り返しの練習です。
練習さえすれば、国家試験としては難しくない部類なので、しっかり練習をしましょう。
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【制限時間に注意しよう!】
気を付けたいのが「制限時間」に違いがあるので、きちんと把握して試験に臨みましょう。
第1課題 カットの制限時間
①準備・・・7分間
②カット試験・・・20分間
③ウィッグの顔の拭き取り、用具の収納・・・1分間
第2課題 ワインディングの制限時間
① 準備・・・7分間
② ワインディング試験・・・20分間
③ウィッグの顔の拭き取り、用具の収納・・・1分間
第2課題 オールウェーブの制限時間
① 準備・・・7分間
② オールウェーブ試験・・・25分間
③ウィッグの顔の拭き取り、用具の収納・・・1分間
基本的に準備に7分間、後始末に1分間は同じですが、カットとワインディングの試験時間は20分間なのに対して、オールウェーブは25分間となっています。
5分の違いですが、もしカットで「あと10分あるな」と思っていたら、残り5分だったと言うこともあり得ますので、練習から間違えの無いように注意しましょう。
【まとめ】
美容師国家試験の技術試験は「衛生実技試験」と「美容実技試験」に分かれています。
「衛生実技試験」とは道具の扱い方から、爪の長さや手指消毒などを見られます。
「美容実技試験」は「カット」と「セット」に分かれていて、時間内に規定の仕上がりにする必要があります。
実技試験は実際に現場でも使う技術ですので、しっかりと体にしみこませましょう♡
美容師国家試験は、国家試験の中では決して難しくなく合格率も高い試験ですので、ぜひ繰り返し練習して本番を迎えて欲しいと思います!
目指せ未来のカリスマ♡
今回は「【美容師国家試験】実技試験の流れと合格基準!」をテーマに解説していきました。
最後までありがとうございました。
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