「ヘアマニキュア」をご存じでしょうか?
赤や青などの鮮やかなカラーをして、人とは少し違ったオシャレを楽しんでいる方も多いと思います。
今回は「【現役美容師が解説!】ヘアカラーとヘアマニキュアの違いが知りたい!」をテーマにして、美容師歴20年以上、オーナー兼現役美容師の私が、ヘアマニキュアとヘアカラーの違いを紹介いたします。
最後までどうぞよろしくお願いいたします。
【ヘアマニキュアとは?】ヘアカラーとの違いは何?
図で解説するとこんな感じです。
白髪は全く色が入っていない状態です。
アルカリカラー(通常のヘアカラー)は髪の内部まで染まっていて、ヘアマニキュアは髪の表面が染まっています。
それぞれの特徴や、メリット、デメリットを詳しく比較していきましょう。
【ヘアマニキュアの特徴は?】
ヘアマニキュアとは、髪の表面をコーティングして色を付けるメニューになります。
以前は酸性カラーとも呼ばれております。
毛髪内部に浸透せずに、髪の表面をコーティングして色を付けるのでほとんどダメージはありません。爪のマニキュアと同じであくまでも表面の色付けになります。
表面をコーティングしますので髪にツヤやハリが出やすくなります。
ダメージが無く、ハリも出やすいので、年配の方も安心して出来るメニューです。
しかし、脱色する力が無いので、元々明るい部分か白髪にしか色が入りません。
黒い部分に関してはそのまま黒か、もしくはほんのり色が付く程度です。
黒髪の方が赤や黄色などの色にしたい場合は、一度ブリーチをする必要があります。
ヘアマニキュアは、どれくらい色持ちするの?
ヘアマニキュアの色持ちは、染める色と髪の状態によって変わります。
よく2週間~4週間と言う記事を見ますが、それは淡い色の場合です。
濃い色の場合はかなり持ちます。
3ヶ月ほどは持つでしょう。
もちろんそのままの色ではありませんが、ブラウンやダークブラウンなどの濃いめの色の場合はかなり長く色持ちします。
また健康な髪の毛の場合は色持ちも良いですが、ブリーチをした髪の毛にヘアマニュキュアをした場合は、2週間~4週間程度となります。
健康な髪の毛の場合は、染める色の濃さによって変わります。
シャンプーのたびに色は落ちますが、初めの1週間ほどが色落ちが激しくその後は落ちづらくなります。
これは、表面に余分についていたマニキュアが落ちるだけで、さほど染まった後の髪の色には影響ありません。
また色落ちして元に戻ることはほとんどありません。
ブリーチをした髪の毛であれば落ちる可能性もありますが、アルカリカラーに比べてはるかに落ちにくいのが特徴です。
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【ヘアカラーの特徴とは?】
ヘアマニキュアが髪の表面だけコーティングするのに対し、ヘアカラーは毛髪内部の構造を変えてカラーリングするメニューです。
髪の表面だけでなく、髪の内部も染めるのがヘアカラーと言えます。
大きな特徴の一つが髪の毛が明るくなることです。
ちなみにヘアカラーと呼ばれるカラーはアルカリカラーのことを言います。
マニキュアの酸性カラーに対してアルカリカラーです。
・脱色と染色を同時に行うのがヘアカラー
ヘアカラーと言うのは、「脱色」と「染色」の両方を同時に行います。
「脱色」と言うのはメラニン色素を分解して髪の毛を明るくすることを言い、「染色」と言うのは脱色した髪の毛に色を発色させることを言います。
脱色してカラーを入れる仕組みのため、ヘアマニキュアと比べると髪の毛が明るくなるのが特徴です。
明るく出来るのが特徴ですが、薬剤がキューティクルを開き髪の内部に浸透し、メラニン色素を分解して明るくするので、髪の栄養分なども流出しやすくなります。
栄養分が流出すると言うことは、ダメージに繋がりやすいと言うことです。
そのため髪の状態をキープするには、栄養分の流出を防ぐ必要があります。
最近では、髪に優しいヘアカラー剤もたくさん出ておりますが、ヘアカラーのダメージの基準は髪をどれくらい明るくするかなので、そのあたりも踏まえてカラーリングをするのが良いでしょう。
関連記事:ブリーチで髪は痛むの?その後のケア方法は? | 髪と頭皮と私 (kamito-touhito-watashi.com)
ヘアカラーの色持ちはどれくらい?
髪の毛の明るさやダメージによりますが、ヘアカラーは1ヶ月くらいの色持ちです。
明るかったり、ダメージが大きいと色落ちは早くなりますし、暗めでダメージが小さいと色持ちも長くなります。
色持ちに関しては色そのものの分子の大きさが係わっていて、小さいほど内部まで浸透するので持ちが良く、大きいほど抜けるのが早くなります。
しかし、これも目に見える色の印象ではなく、あくまでも化学の話なので、色持ちに関してはダメージが大きいと色落ちが早いと覚えておくと良いでしょう。
また、赤やオレンジは彩度が高く(鮮やか)、落ちたのが分かりやすいので早く感じるかもしれませんが、実際は色持ちが良い方になります。
ただし、実際の現場で感じることと言えば、ヘアカラーの場合は徐々に色落ちはしますが、髪の毛自体が明るくなるので色落ちよりも伸びてきた根元が目立ってきて気になることが多いでしょう。
リタッチと言って、根元だけをカラーリングすることもできますので、1~2ヶ月に1回程度こまめに染め直すのがおすすめです。
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ヘアマニキュアの注意点とは?
・ヘアマニュキュアが頭皮や手に付くと取れにくい
これとっても大事です。
お肌に付くとホントに取れません。
ヘアマニキュアが地肌についてしまうと、色がなかなか落ちないので注意が必要です。
昔々、私も金髪にした後に、オレンジにしようと思い自分でやったら、知らなかったのでベタベタ頭皮にも付けたら、仕上がってビックリ・・・髪の毛はキレイに染まったけど、頭皮がゴルバ〇ョフみたいになったことあります・・・。
一応、ヘアマニュキュア専用の落とす薬もありますが、薄くなる程度でしっかり落ちるわけではありません。
ヘアマニキュアはシャンプーや洗顔、入浴など洗っているうちに自然と落ちてくるので、もし付着した場合には無理にこすったりせず、自然に色落ちするのを待つのがベターかと思います。
私たちもお客さまのシャンプーすると手が黒くなります。
まあ放っておいて、1日シャンプーしているうちに落ちるので心配はありません。
ヘアマニキュアに関しては、毛先だけをマニキュアで鮮やかにするなら楽だとおもいますが、全体的にやるのはセルフではおススメしません。
頭皮に付いたり、どっかに垂らしたり、手袋したりと色々手間です。
服やお風呂場を汚してしまう場合もあるので、ヘアマニキュアするなら美容室でオーダーするのが間違いないですよ!
・黒髪にやっても色味があまり分からない
ヘアマニキュアは髪を明るくするカラー剤ではないため、黒髪のままマニキュアしても、髪色にあまり変化が見られません。
赤や黄色を使うと、何となくほんのり見えますが、基本的に黒髪に使うのはおススメしません。
黒い紙に赤いペンで線を書いたイメージです。
基本的に黒ですよね。白い紙に赤いペンで線を描いたら赤くなりますよね。
ヘアマニキュアとはそんな感じです。
ハリコシは出ますが、明るくなるわけでもないので、意味がありませんので黙って普通にアルカリカラーをした方が良いです。
・カラーチェンジが出来ない
かなり重要です。
これを分かっていないと苦労しますよ。
初めにお伝えしている通りで、ヘアマニュキュアは色持ちが良いです。
ずっと髪に残るので、すぐにはカラーチェンジが出来ません。
ブリーチなどでダメージがあれば色落ちしますが、通常は簡単には色落ちしないのです。
もし明るくしたくなって、アルカリカラーを使ったとしても、表面がコーティングされているので、思ったように明るくなりません。コーティングしているため薬剤が浸透しないのです。
そういったことも踏まえて、どのカラー剤でどうするかは決めた方が良いし、もしマニキュアを使ったなら、美容師さんに伝えないと失敗に繋がりますので、注意してください。
基本的にはいつも通っている美容室でやることをおススメします。
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【ヘアマニキュアをおすすめする場合の5つの特徴】
・アルカリカラーにかぶれてしまった方
ヘアマニキュアはアレルギー反応によるかぶれの原因になりやすい「ジアミン」という成分を含んでおりません。アルカリカラーにかぶれた経験のある方も安心して染める事ができます。
カラーをしている時に痛みを感じる方、カラー後の数日間かゆみやかぶれがある方はカラー剤の変更をおすすめします。
ヘアマニキュアも全ての方が大丈夫とは言い切れませんが、カラー剤を地肌につけないように染めるのでリスクはほとんどありません。
・白髪がある
何度も言いますが、ヘアマニキュアには黒い髪の毛を明るくする効果はありません。
明るく出来ないのでダメージは無いのです。
髪の毛の表面に色をくっつけて染めるヘアマニキュアは白髪の上には黒でも、茶色でも、ピンクでも発色させる事ができますが、黒い髪の毛の上では何色を塗っても色が見えないので、結果的に地毛の状態と変わらないのです。
ですので、白髪の量が多ければ多いほど、ヘアマニキュアで色々なカラーを楽しむことが出来ます。
ダメージも少なく色を楽しめるのは非常に良いですね♡
・髪を傷めたくない
アルカリカラーをして髪が傷む原因は、弱酸性の髪の毛にアルカリ性の薬剤を使うからです。アルカリ性の薬剤がキューティクルを開いて、薬剤が浸透する仕組みとなっております。
ヘアマニキュアは髪と同じ酸性領域のカラー剤であり、色素を髪に吸着させて染めるので、染毛の過程で毛髪組織を破壊する事が無いので髪にほとんどダメージなく染める事ができます。
最近流行っている、毛先だけ赤や青などのカラーは、ブリーチをしてからもう1度色を乗せるので、マニキュアのようにダメージがなく、なおかつビビットなカラー剤は非常に向いていると思います。
・カラー剤の匂いが気になる
アルカリカラーは揮発性で、アンモニアやモノエタノールアミンなどのツンとする臭いがあります。
ヘアマニキュアはアルカリカラーをした時の臭いはほとんどありません。
臭いで体調がすぐれ無くなる方にも安心です。
・明るく染めなくてよい
ヘアマニキュアは白髪の量が多い方ならどんな色にでも出来るし、明るく染める事もできます。
しかし、生え際の数本が気になると言った白髪の量が少ない方は明るく染める事ができません。
少量の白髪が気になるけど、元々の地毛くらいに目立たなければ十分。と言う方には簡単に馴染ませることが出来るのでピッタリだと思います。
こういった場合は、ダークブラウンなどのヘアマニキュアを使用するので、色持ちも良いし、ダメージもなく仕上がるのでおススメです。
【まとめ】
ヘアマニキュアの特徴は分かりましたか?
アルカリカラーとは違って、髪の表面を色づけるので、ダメージが少なくビビットなカラーを楽しむことが出来ます。
また色持ちも良く、濃い色のものだと数か月間持つこともあります。その分、カラーチェンジに影響もありますので、美容師さんと相談してから決めるのが良いでしょう。
若い年代の子も、ダメージが無くビビットなカラーリングが出来るので、ブリーチ後に色を重ねるようなカラーもどんどんチャレンジしてみると良いですよ♡
今回は「【現役美容師が解説!】ヘアカラーとヘアマニキュアの違いが知りたい!」をテーマに解説していきました。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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