「ノンシリコン」
よく聞きますよね。
最近、ドラックストアなどでシャンプーやトリートメントのコーナーに行くと、必ず「ノンシリコン」という広告を目にします。
はたして、このシリコンとはどんな成分で、なぜ、悪者扱いされているのでしょうか?
今回は「ノンシリコンとは?結局良いの?悪いの?」をテーマにして、美容師歴20年以上、オーナー兼現役美容師の私が、シリコンについて分かりやすく解説していきたいと思います。
最後までどうぞよろしくお願いいたします。
【ノンシリコンとは?】
ノンシリコンとは何かというと、字の通りでシリコンの入っていない商品のことを言います。
シャンプーやトリートメント、化粧品や日焼け止めなど。
様々なところで目にするようになりました。
シリコンと言うのは、本来はアレルギー反応などが出にくく安全な成分とされております。
また価格も安定しているので、現在ではシャンプーを含めたヘアケア剤や化粧品類には欠かせないものとなっております。
ではなぜ?
ノンシリコンなのでしょうか?
そもそもシリコンとは何なのでしょうか?
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【シリコンって何者?】
それではシリコンとは何なのかを説明いたします。
シリコンとはヘアケアや化粧品に配合されるときは、「シリコンオイル」という油分として配合されており、代表的な表示成分でいうと○○メチコンなどという名前で表示されているものです。
シリコンオイルの特徴としては、健康な髪の毛や肌に付着しやすいので、頭に使う場合は頭皮や根元の髪の毛に付着しやすいと言うことになります。
シリコンオイルを塗ると、髪や肌に被膜をつくってコーティングします。
シリコンは撥水性があるため、コーティングされた部分は水や汗をはじくようになります。
ですのでヘアケアだけでなく、女性なら1度は使ったことがあると思いますが、水や汗で流れないウォータープルーフのファンデーションや日焼け止めにも使用されているのです。
つけたあとの感触は良好で、ベタつかず、シルキーですべりの良い感触となるため、使用感向上の目的でスキンケアに使われる場合もあります。
滑りやすくなりますので、カラー剤などにも使用されていて、塗布した時にくし通りが良く、塗りやすいようになっております。
シリコン自体は安全性の高い成分ですので、肌に付いても心配はいりません。
【シリコンは悪者・・・?】
しかし、ノンシリコンのシャンプーが話題になったり、人気があると言うのは、シリコンは悪い影響があるのでしょか?
シリコンはダメージヘアのケア成分としては、決して悪いものではありません。
なぜなら、シリコンオイルが痛んだ髪の表面をコーティングしてくれますので、指通りも良くなります。
カラーやパーマで傷んだ髪の毛をほおっておくと非常に軋みます。
そういった場合でもシリコンオイルのお陰で、手触りが向上し、ツヤのある仕上がりに整えてくれます。
またキューティクルの剥がれや切れ毛などを予防もしてくれます。
最近、ヘアケアのノンシリコンを主張する方の中には、
「シリコンを使うことをやめれば、自然な艶がよみがえってくる。」
などと話す方もいらっしゃいますが、これは少し乱暴な話です。
自然な艶がよみがえるためには、そもそも髪がダメージをしていないことが大大大前提です。
当たり前です。。。
髪は、紫外線やドライヤーの熱、パーマやカラーリングなどいろいろな要素がダメージの原因となります。
そして、髪の毛は死滅細胞ですので、一度受けたダメージが自己回復されることはありません。
肌のようにかさぶた作ったり、骨のようにまた繋がってくれたりしないのです。
1度ダメージを受けたら、長さによりますが数年かけて生えかわるのを待つか、ダメージ部分を切るまで、そのダメージと付き合わなければなりません。
ですので、シリコンをやめれば自然とダメージが修復されてツヤが出るなどと言うことは絶対にありません。
そもそも髪の毛がダメージを受けている場合は、ダメージを目立たなくするケアが必要となります。
ここはお間違えの無いように。
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【結局シリコンは良いの?悪いの?】
さて、髪にとっては悪いとは言えないシリコンですが、なぜ悪者のような印象になったのでしょうか?
まず、肌に付着しやすいと説明しましたが、それによりコーティング力が強いため毛穴を塞いでしまい、ニキビや吹き出物ができるという説です。
あくまでも「説」です。
正直、この説の真実の程はわかりません。。。
一部のシリコン肯定派の方々は、「シリコンのコーティング被膜は網目状になっており被膜のため、毛穴を塞ぐことはない。」と主張しております。
確かに化学構造上網目状であることは事実です。
しかし、塗る量や範囲や重なりによっては、粗い網目にも細かい網に目にもなりますし、人の毛穴の大きさは常に同じではなくて、ホルモンバランスなどによって、毛穴周辺の角質が厚くなって毛穴の出口が狭くなっている場合もあります。
ですので、完全に塞ぐことは無いにしても、多少なりとも覆ってしまうことはあるかもしれません。
どちらにしても、目で見て確認することは出来ないので、想像上の話となります。
が・・・原因は定かではありませんが、シリコンによる吹き出物、ニキビトラブルを抱える人は結構多いようです。
やはりこれも事実なんですよね。
そういう意味では、肌や頭皮にはつけないことが理想的と言えるのでは無いでしょうか。
ちなみに、一度肌に付着したシリコン(濃度にもよりますが)は、水や石けんでは完全に洗い落すことはできません。
あくまでもシリコンオイルですので、オイルは簡単には落ちません。
洗い流すためには、メイク落とし用のクレンジングなどの強い洗浄力が必要になるのです。
【その他】
それと、もうひとつが悪者と言われる理由に、環境への負担が大きいと言うことです。
一般的に家庭の排水に含まれる油分などの有機物は下水処理場で微生物によって分解されて河川に流されます。
しかしシリコンはこの微生物による分解ができないのです。
そのため、処理されることなく、薄まるだけで放流されてしまうのです。
そうすることにより自然や生態系への影響もあると言われております。
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【まとめ】
結論とすれば、髪のみに付着させることができれば、全く悪いものではありません。
しかし、美容室でのシャンプーのように、人にやってもらうならともかく、通常のお風呂でのヘアケアで頭皮や肌に付着させないということは難しいですよね。
そして、環境に負担がかかってしまうというが事実です。
シャンプーなどで使用する場合はしっかりとすすぐことが重要となります。
後はなるべくお肌に付かないように注意して使うと良いのかなと思います。
今回は「ノンシリコンとは?結局良いの?悪いの?」をテーマにして解説していきました。
最後までありがとうございました。
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