毎年2万5千人以上もの人が受験する「美容師国家試験」
懐かしいですね。
この中の多くの人が試験に合格して、4月からそれぞれのサロンで働きます。
そこで今回は、「【美容師国家試験】内容や注意点が知りたい!目指せ未来のカリスマ♡」をテーマにして、美容師歴20年以上、オーナー兼現役美容師の私が「美容師国家試験」について解説していきたいと思います。
最後までどうぞよろしくお願いいたします。
【美容師国家試験】どれくらい難しいの?内容や合格率が知りたい!
美容学校の生徒は美容師国家試験を合格するために日夜勉強に励んでいるわけですが、それでも全員が合格するわけでもありません。
また、今年卒業を迎える人だけが試験を受けるとは限らず、数年前に学校を卒業した人、以前受けたけど不合格だった人などさまざまな人が試験を受けます。
ただし、大学入試とは違って、誰かと争って椅子取りゲームをするわけではなく、ある基準以上の点数を取ることが出来れば、美容師国家試験は受かりますので、その辺は安心と言えます。
ちなみに美容師国家試験は厚生労働省の管轄になりますので、合格証書にはその時の厚生労働大臣の名前が入ってます。
何となく偉くなったような、しっかりした人間になったような感覚になれますよ♡
では、実際にどのくらいの人が毎年受けて、合格しているのかを見ていきましょう。
【美容師国家試験の試験内容とは?】
美容師国家試験では、筆記試験と実技試験が行われます。
試験の順番としては、先に実技試験があり、その1ヶ月後に筆記試験となります。
・筆記試験
筆記試験は美容師に必要な技術に関することはもちろん、美容師法や衛生法に至るまで覚えなくてはいけません。
試験では以下の8つのジャンルが出題されます。
①関係法令・制度及び運営管理
②公衆衛生・環境衛生
③感染症
④衛生管理技術
⑤人体の構造及び機能
⑥皮膚科学
⑦香粧品化学
⑧文化論及び美容技術理論
実技がメインの仕事だと思っていると、漢字を見るだけでちょっと見るだけでも頭が痛くなる感じですが、美容師国家試験に出る内容なので、簡単に説明していきます!
①関係法令・制度及び運営管理
関係法令・制度では、美容師に関連する制度や法律についての問題が出されます。
「美容師は美容師国家試験を合格していないといけない。」とか「美容師国家試験を合格後3年経過すると管理美容師の講習資格を得ることが出来る。」のような、紋々を覚えなくてはいけません。
②公衆衛生・環境衛生
公衆衛生・環境衛生は、例えば「日本の死因の上位1位と2位は何でしょう?」のような問題で、基本的に、社会と衛生に関する知識を問います。
③感染症
感染症では感染病の知識について問われます。
インフルエンザとかもそうですし、今だと「コロナウイルスは何感染でしょうか?」のような問題です。
美容師をしていて一番苦手意識を感じるのが②公衆衛生・環境衛生と③感染症ですね。。。
ここは重点的にやらないと点数が取れません。
④衛生管理技術
衛生管理技術では美容室の衛生を保つために必要な知識の問題です。
消毒方法やゴミの始末の仕方などが問われます。
⑤人体の構造及び機能
人体の構造及び機能では体の仕組みに関するです。
手の指の絵があって、「第3関節はどこでしょう?」とか、一見なめてるようですが、本当に出ますからね!
⑥皮膚科学
皮膚科学では皮膚の構造に関連する知識を問われます。
とは言っても、人間の皮膚は何性でしょう?のような、考えれば分かることなので安心して勉強しましょう!
⑦香粧品化学
美容の物理・化学では美容に関する知識を問われ、パーマやカラーが何性か?とか、ブリーチは何染毛剤か?などそういった問題です。
ここは通常美容師をしていれば、とても簡単で常識的な知識と言えます。
⑧文化論及び美容技術理論
美容理論では、「レイヤーとは、スライスを取った時に上の毛よりも下の毛が長いことを言う。」〇か×か?のように実務的な知識を試されます。
ここも美容師をしていればほぼ間違わないと思います。ご安心ください♡
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・【美容師国家試験】筆記試験を徹底調査!これで合格間違いなし♡
・実技試験
実技試験では、ウィッグを使用して、実際に美容師の技術をチェックしています。
課題は2つに分かれていて、第一課題が「カット」、第二課題が「セット」です。
合格の基準は減点が40点未満であるかどうかです。
第一課題の「カット」は、レイヤーカットを20分以内にできるかどうか。
第二課題「セット」はAワインディング、Bオールウェーブの2つがあり、毎年試験前にどちらか発表されます。
Aワインディングでは4種類、60本以上のロットを20分以内に巻くこと。
Bオールウェーブセッティングではオールウェーブを25分以内に完成すること。
個人的にはやはりワインディングが良いですよね。
オールウェーブは苦手な人も多いのではないでしょうか?
あのヌルヌルがね・・・仕事でいまだに意味があるのか考えてしまいます。
以前はカットもグラデーションカットでしたが、今ではレイヤーカットに変化してます。
セットももう3種類ありましたが、今では2種類になったので練習するのも集中できるのではないでしょうか。
試験のはがきで何が課題か分かるのですが、この時も緊張ですよね。
実際の営業でも、カットとワインディングは毎日のように使う技術ですので、試験だからではなく良く理解しておくと現場に出てからも役立つと思います。
また、実技試験中には「衛生実技試験審査」も同時に行われています。
内容は①「動的審査」、②「静的審査」、③「確認的審査」の3つに分かれます。
それぞれ簡単にどこを見ている審査なのかをお伝えします。
①「動的審査」は、試験中に技術を安全かつ衛生面に留意して進めているかどうか。
ハサミやダッカールなどを一時的に置く場所なども見られます。
簡単に言うと、雑な扱いをすると減点です。
②「静的審査」は、試験を開始する前の受験者の身体と服装、また使用する用具類が、試験においてふさわしいものであるかどうか。
白衣がキレイかとか、道具がきちんと揃っているかとかね。
そういうところも見られます・・・。
③「確認的審査」は、試験終了後に用具類の衛生的処理状況についてです。
これもハサミやコーム、ダッカールなどの使用後の置き場所などです。
使った後もきちんとしましょうと言うことですね。
基本的には、身だしなみがちゃんとしていて、清潔感があるかどうか。もちろん髪の毛もです。
用具においても正しく取り扱いができているかどうか。
また実技試験での緊張状態で、用具を落としたり、手を切ったりしてしまった場合に、落ち着いて冷静に対応できるかどうか、などが見られています。
緊張しすぎてパニックになってしまうので、試験の前にいろんな場面を想定して練習しておくと良いでしょう。
緊張せずにやれば大丈夫ですよ。
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・【美容師国家試験】実技課題「ワインディング」のポイントは?
【受験申込者数は年間で2万人以上!?】
試験は年に春と秋との2回開催されます。
毎年2万5千人以上も受験するんですね~。
多くは、卒業予定の生徒が2月に受験するので3分の2がこの時期に受験し、残りの3分の1程度の人が8月に受験します。
簡単に言うと・・・2月に落ちた生徒が就職後の8月に受験することになります。
しかし、応募人数が少ないから8月の方は会場も少ない、なんてことは無いのでご安心ください。
2月と同様の会場数が設けられており、試験問題自体も難易度は同じなのです。
試験が苦手だからと言って8月にチャレンジしても変わりませんからね!
もちろん、服装や持ち物などの厳しさも同じですよ♡
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・【美容師国家試験】オールウェーブの壁・・・を乗り越えよう!
【実際の合格率は?】
下記の試験実施状況からもわかるように、2月の試験の合格率は80%~90%前後で、8月試験の場合は50%~60%となり、合格率に大きな差があります。
第39回美容師国家試験(平成31年春)
受験申込者数:18,814人
受験者数:18,521人
合格者数:15,956人
合格率:86.20%
第40回美容師国家試験(令和元年秋)
受験申込者数:5,432人
受験者数:5,134人
合格者数:2,982人
合格率:58.10%
先ほどもお伝えしていますが、試験の時期によって試験の難易度が変わるということありません。
美容学校はもちろん美容師国家資格の取得に力を入れていますので、専門学校の生徒の合格率が高くなり、専門学生の受験者が多い2月はそれに比例して合格率が高くなっているのです。
・では実際に試験はどのぐらい難しいのか?
合格率を見て不安に思った人もいるかもしれませんが、どんな試験でも不合格者はいます。
しかし、一般的な国家試験としては非常に合格率の高い試験ですので、真面目に勉強をしていれば取りやすいとも言われています。
同じ国家試験でも、例えば司法試験などでは合格率は20%台ですからね。
個人的に筆記試験は、余程勉強が苦手か、受かる気が無いなら落ちますが、普通に勉強さえすれば受かるレベルです。間違いなく受かりますので心配しないように!
実技に関しても、正直に言えば、美容室で1年働けば間違いなく受かるレベルです。
半分の時間で合格レベルの仕上がりには出来るでしょう。
しかし、合格しやすいとは言えなめれるとやられます・・・。
基本的なことをしっかり繰り返しやることが重要です。
美容師の仕事は基本をしっかり繰り返して、体に染みつかせることが出来れば食べていけますので、謙虚に繰り返しましょう♡
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【合格の基準ってどんな感じ?】
ちなみに実際に試験を受けてみたけど、何が基準なのかよく分からない?不合格に納得できない!
という人もいるはずですよね。
そこで、試験合格につながる基準を紹介していきます。
・筆記試験の合格基準
筆記試験は、関係法規・制度、公衆衛生・環境衛生、感染症、衛生管理技術、人体の構造及び機能、皮膚科学、美容の物理・化学、美容理論の課目の中から、50問出題されます。
50問中60%以上の正答率があれば合格出来ますが、それぞれの課目に一つでも無得点があると、その時点で終了してしまいます。
「それぞれの課目」と言うのが重要です。
どれか一つに力を入れすぎてしまうと、他の課目が疎かになってしまうので、バランスよく勉強しましょう。
・実技試験の合格基準
実技試験は「減点方式」になっています。
まず、第一課題としてカットの技術力を審査し、ここでは減点が40点以上になると失格となります。
また、オールウェーブなどのセットは、減点を50点以下に抑えなければいけません。
さらに、カット者の身体の衛生状態や用具の衛生上の取り扱いも審査対象となり、こちらは30点以下の減点が基準となっています。
実技は筆記よりもかなり細かい減点基準ですが、焦らなくでも大丈夫です。
いつものように施術が出来れば落ちることはありませんので、落ち着いてやることです。
【ちなみに不合格者の傾向ですが・・・】
不合格者の傾向もあってね・・・
春試験の合格者数は90%近くあり、新卒者だけだと90%を超えるでしょう。
しかし、中には残念ながら不合格になってしまった人もいますよね・・・。
実は不合格者の人に特徴と傾向があるのです。
・当日の体調不良
どれだけ真面目に授業を受け、準備をしていても、体調を崩すことはあります。
無理して行ったとしても、実技で十分なパフォーマンスもできなくなってしまいます。
季節的に2月、3月はインフルエンザなどがまだまだ流行している時期ですからね。
体調を崩すことなく、万全の状態で受験できるように準備しておきましょう。
・やる気が無い・・・
私個人としては、落ちる人のほとんどがこれだと思いますよ。
毎日学校には行っているけど、授業を聞かずにやる気が無い。
試験に落ちるパターン1位です。
せっかく親にお金を出してもらって通っているのですから、せめて試験くらいは取れるように授業を受けて欲しいものだと思います。
もしやる気がないなら、1年でやめた方が、お金も時間も空くので、その後の人生の為に良いと思うんだけどな~。ちょっと厳しいかな。
・道具の扱いが雑!!!
基本中の基本です。
道具の扱いが悪い人は、お客さんの扱いも雑になります。
一度落ちた方が良いでしょう。美容師をなめてはいけません。
お客さんを丁寧に扱うからこその売り上げです。
物を丁寧に扱うのは基本ですので、せっかくの努力を無駄にしないためにも、ハサミなどの道具は丁寧に扱いましょう。
【全日制と通信制の合格率の違いは?】
美容師の国家試験を受けるためには、美容学校を卒業(もしくは卒業見込み)しなくてはいけません。
しかし、働きながら勉強をしたいという熱い人のために美容学校にも通信制があります。
美容学校の年数は、昼間課程なら2年以上、通信課程なら3年以上の過程を修了すれば、受験資格を得ることができます。
気になる合格率ですが、全日制のコースでは90%以上の合格率を謳う学校が多く、通信制でも90%近い合格率を出している学校もあります。
しかし平均的には、通信制コースの方は60%~70%の合格率だと言われております。
自分のペースで勉強できるのは良いですが、実際自分でカリキュラムを終了するには根気強くやるしかありません。
ましてやアシスタント時代は練習などで夜も忙しいので、それなりにモチベーションも必要になります。そのあたりが合格率にも影響しているかもしれませんね。
・カリキュラムの違いはあるのか?
では実際に教育カリキュラムはどう違うのでしょうか。
通信制の多くは10月に入学し、その時点で自宅で教材学習がスタートします。
基本的に入学式はありません。(笑)
その後昼間の生徒が春休みや夏休みなどで通っていない期間が「スクーリング」と言って学校に行き、実技などを学びます。
通学が必要なのは決まった期間のみなので、仕事をしている人も試験勉強しやすいシステムになっているのが特徴。
私自身も通信制ですが、実際に通ったのはトータルで30日程度だったような気がします。
今とは少し違うかもしれませんが、仕事に従事しているとかなりの日数が減るのでそれくらいでした。
国家試験の勉強については3年目の夏が試験対策となりますので、その後8月と9月に試験本番を迎えるという流れが一般的です。
実際、通信制だと普段は仕事してますので、ある程度の知識と技術がありますから、試験対策だけしっかりすれば、通信制でも受かると思いますよ。
友達はあまりできませんけどね。(笑)
【不合格になった場合・・・どうなる?】
最後に大事なことです。
万が一不合格になった場合に、次の試験ではどうなるのか?
美容師の国家試験の科目は、「実技試験」と「筆記試験」に分かれています。
もしどちらかが合格して、どちらかが不合格の場合はどうなるのか?疑問に思う方もいますよね。
実は、筆記と実技の両方を受験し「片方のみ合格」した場合、次回の試験では合格した方の科目は試験を「免除」されるという制度になっています。
しかしそのためには申請が必要なので、該当する人は事前にしっかり確認し次の試験に臨んでくださいね。
また、試験に落ちてしまった再試験者も学ぶことができる「美容予備校」など、卒後でも国家試験対策ができる場所もあります。
自分が通っていた学校に問い合わせてみると良いでしょう。
やはり学校は毎年の傾向を踏まえて教えてくれるので安心できます。
【まとめ】
美容師国家試験は「筆記試験」と「実技試験」の2つに分かれています。
筆記試験は8項目に分かれていて、60%以上の正解率が必要です。
実技試験はカットとセットに分かれていて、カットは40点、セットは50点以上減点されると不合格になります。
ちなみにセットは2種類のうちどちらか一方が課題となりますが、試験の1ヶ月ほど前まで分からないのでどちらもしっかり練習しておく必要があります。
合格率は昼間の生徒で90%ほど、通信で70%ほどになっていて、国家試験の中では高い合格率ですので、まじめに勉強さえすれば大丈夫でしょう!
今回は「【美容師国家試験】内容や合格率が知りたい!目指せ未来のカリスマ♡」をテーマに解説していきました。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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