美容師は年収の低い職業だと言われています。
折角、数百万も払い美容学校に入り、国家試験を取っても、中々給料が上がらず・・・
時間もお金も無い・・・
そんなイメージを持っている一般の方も多いのではないでしょうか?
では、実際に美容師の年収ってどれくらいなのでしょうか?
また、年収はずっと低いままなのでしょうか?
今回は「美容師でも年収1000万円は可能!?では、なぜ年収が低いのか?」をテーマに、美容師歴20年以上、オーナー兼現役美容師の私が、美容師の年収に関して解説していこうと思います。
自身の経験も踏まえての解説ですので、かなり参考になると思います。
最後までどうぞよろしくお願いいたします。
【美容師でも年収1000万円は可能!?】
可能かどうかで言うと、もちろん「可能」です。
平均月収にすると、85万円。
仮にボーナスのある会社だと、月収70万円+ボーナス160万円(80万円を2回支給)
収入としてはもちろん多いですが、決して無理ではありません。
月平均でみると、そこまで大きな数字でも無いような感覚になるのではないでしょうか?
もちろん私も可能です。
が、800万円ほどにしております。
残る分は何かの時の為に、会社に残しておきたいし、それでも残るならボーナスにしております。
自分が貰っても税金が上がるだけだし・・・。
私のことはさておき、具体的に美容師の給料事情はどうなのでしょうか?
【美容師の平均年収は?】
実際に美容師は他の職業と比べて、どのくらいのお給料をもらえているのでしょうか?
厚生労働省によって2016年2月に発表された平成27年賃金構造基本統計調査を参考にしながら、美容師の給料について見ていきたいと思います。
この調査では、美容師のみではなく「理美容師」でまとめた数字の調査結果となっておりますので、ご理解いただければと思います。
・平均年収と平均月収
平均年収:約260万円
平均月収:約21万円
平均賞与:約58万円
あくまでも平均になります。
私の印象としては賞与が多い印象なので、月収にもう少し貰っているでしょう。
しかし・・・平均年収は約260万円。
低いですよね。
しかも美容師の場合は練習やミーティングなどで、営業後にやることが多くサロンの滞在時間が長くなります。
そう言った時間を「残業」と思うのか、「自分の将来への投資」と思うのかで感覚は違ってきますが、長いわりに給料が低いのは事実です。
労働時間は短くて10時間。
これは営業時間が10時間のところが多いからです。
実際に時給計算するともっと低くなるでしょう。
とはいえ一般的な職業とは違って、美容師はアシスタントとスタイリストの違いや、スタイリストでも売り上げの歩合給によって収入が増えたり、店長、マネージャーのようにキャリアが上がることによって大きく待遇が変わったりします。
人気スタイリストで稼ぐのも良いし、経営者として成功するのも良いでしょう。
様々な道での成長をポジティブに考えた方が良いでしょう。
ちなみに年代別でみる給料はと言うと・・・
20代の平均年収:男性211万円、女性205万円
30代の平均年収:男性310万円、女性265万円
40代の平均年収:男性342万円、女性260万円
50代の平均年収:男性322万円、女性259万円
となっております。
この平均で見ると、男性では40代、女性は30代でピークを迎え、後は下がっているのが分かります。
それでも40代男性で342万は少ないですよね・・・
月収30万にも満たないですからね(ボーナス無しの計算でも)。
これは、実はカラクリがあって、40代では収入に大きく差が出るのです。
例えば20代後半のスタイリストと同じ売り上げだと300万円いかない年収でしょうし、売り上げがあってキャリアを積み重ねている場合は500万以上は貰うでしょう。
売れないスタイリストは、独立できませんからそのお店で働くことになります。
そうなると、平均でも340万円ほどの年収となります。
ですので、練習あるのみ。仕事に精進してお客さまを掴む努力をしましょう。
女性は結婚、出産、育児と人生でも忙しいピークを迎えるので、仕事第一よりも生活に回る時間が多いために年収としては上がりにくくなる傾向があります。
【地域別で違いはあるのか?】
基本的には地域によって差があります。
東京、神奈川などは比較的高いし、田舎になると低くなります。
例えばアシスタントであれば、都会だと月収20万円ほどですが、田舎になると16万円ほどになります。
これは、地域の経済状況によるもので、悲観するものではありません。
都会と田舎では家賃も2万円ほど差があるし、野菜一つでも都会の方が高くなります。
もちろん移動にもお金がかかるし、様々なことのお金がかかるので、その分差が出ると思ってください。
実際、給料が多い分、税金も上がるし、手元に残るお金としてはさほど変わりません。
どうぞご安心を。
ではなぜ?「美容師は給料が安い!!!」と言われるのでしょうか?
【なぜ給料が安いのか?】
給料が安い理由はこの2つ。
①アシスタント時代の印象
②売り上げを上げれないスタイリスト
①アシスタント時代の印象
先ほどもお伝えしている通りで、アシスタント時代は16万円~20万円ほどです。
確かに大手企業と比べると安いかもしれませんが、一般事務や、車の修理など、いわゆる普通の仕事とさほど変わりません。
もちろんアシスタントでも物販(ワックスやシャンプーなど)を売ることによって、10%ほど歩合給が付きます。
「印象」と言ったのは理由があって、自分のハサミや練習用のウィッグや講習代は自費になります。
ハサミは10万ほどしますので、10回払いでも月に1万円払います。
ましてやハサミは1本じゃありません。
少なくとも2本は必要なので、2万円になります。
その上、練習用のウィッグは4000円ほどで月に5台ほどは使うのでここでも2万円・・・
講習も5000円ほどしますので、月に1回でも5000円の出費になります。
そうするといくら、「普通」に給料を貰っていても、3万円~5万円ほど引かれるので、手元に残りにくくなります。
もちろん、ハサミは払い終われば引かれるのも無くなるし、練習しなければウィッグ代もかかりません。
もちろん講習も出なければ、出費も無いです。
しかし、ハサミも最低2本であって、本来は数本必要です。
また練習したり講習に出ることで、スキルアップしますので、将来への投資として考えた方が良いでしょう。
ですので実際は「普通」に貰っているけど、それ以外の出費が多いから「安い印象」になってしまうと言う訳です。
②売り上げを上げれない
スタイリストになり、売り上げを上げれないと給料は上がりません。
当然ですよね。
年功序列で給料が上がる業界ではないので、反対に言えば若くても給料を上げることが出来ます。
しかし、練習を怠ったり、自己投資をせず過ごすと売り上げは上がりません。
美容師と言う職業は一生勉強です。
勉強をしない美容師は給料も上がりません。
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【美容師の給料事情】
多くの美容師スタイリストは30万円くらいです。
これだと少ないですよね。
特に子育てをする男性の給料としては確かに少ないです。
ちなみにスタイリストは、多かれ少なかれ歩合給です。
①固定給+歩合給
多くの美容室はこの給料体系です。
基本給(20万円)+歩合給(10%)な感じ。
これ場合、売り上げ100万円になると歩合で10万円なので、給料は30万円になります。
200万円の売り上げでもぶあいは20万円なので40万円の給料です。
②すべて歩合給
給料が全て歩合給のところは少ないですが、完全歩合のスタイリストもいます。
この場合は30%が給料になります。
そうすると100万円の売り上げで30万円の給料ですが、200万円だと60万円です。
完全歩合のメリットは良い時は貰えるけど、売り上げの悪い時はぐんと下がります。
最低の保証もありませんので、良かった時でも蓄えておく必要があります。
どちらにもメリット、デメリットがありますので、自分の状況を見て決めることになるでしょう。
用は売り上げを上げれれば少ない給料ではないのです。
一人で生活する分には30万円でも足りますが、家族を養うとなると足りません。
また今後の人生を考えると、30万円では不安なので、ほとんどの美容師は30代に入ると続けるか、辞めて違う職業につくか悩みます。
売り上げを上げるか、安くても続けるか、辞めるか。
別の話ではありますが、悩むどころとなります。
【売り上げを上げるには?】
では実際に売り上げを上げるにはどうしたら良いのでしょうか?
①技術、接客、人間性を磨く
②集客をする(ブランディング)
③再来を増やす
簡単です。
この3点しかありません。
①技術、接客、人間性を磨く
練習をします。
講習に出ます。
先輩の話を聞きます。
簡単に言うと美容師と真剣に向き合うことです。
お客さんは分かります。
努力してるかどうか。
その人が薄っぺらかどうか。
口だけなのか、一緒に考えてくれているのかどうか。
若い時は、遊びに行きたいし、彼女も作りたいし、お酒飲んではしゃぎたいでしょう。
たまにはそれも良いでしょう。
しかし、若い時の過ごした時間は財産です。
美容師になる人は、大概、高校受験も大学受験もあまり頑張ってきてないでしょう。
進学している人が勉強している時に、美容師を選んだ人は大体遊んでいるはずです。
その時間を取り戻すくらい練習しましょう。
その時間を取り戻して更に進化させるために、美容師に向き合いましょう。
たった数年です。
5年ほど頑張れば随分成長するはずです。
5年頑張れたら、少し遊んで、もう5年。
きっと売り上げも上がるはずです。
②集客をする(ブランディング)
今は集客も個人の時代です。
クーポンサイトでも、結局は自分のヘアスタイルを見てお客さんはやってきます。
クーポンサイト自体の宣伝をするためにSNSで発信します。
そういう時代です。
会社が広告をやってくれないとか、クーポンサイトをやってくれないとか言ってる場合じゃありません。
自分でヘアスタイルを作って、撮影して、発信する時代です。
その積み重ねが、自分のブランドになります。
人はどういう店か調べてから来店します。
どういう人か調べてからお店に来ます。
どう人か分からない人のところにはお客さんは集まりません。
自分でブランディングです。
③再来を増やす
もう一度来てもらう努力です。
・次回のスタイル提案
・次回の来店目安
この2つを確実に伝えましょう。
お客さんは伝えたからと言って、その通りにはなりません。
でも常連になるまでは伝えましょう。
常連になったら、「また来月よろしくお願いします」とかでも良いですが、それまでは伝えることを続けましょう。
ほんのちょっとの事の積み重ねです。
美容師の仕事は日銭を稼ぐ仕事です。
一回に大きなお金を動かすわけではなく、少しづつ積み重ねた売り上げが1ヶ月で100万円、200万円となります。
ちょっとした事の積み重ねが出来るかどうかで、再来に繋がってきます。
また今なら、SNSでの発信も良いでしょう。
これは新規の集客のためにスタイルを発信するのとは別で、「自分は元気ですよ」と言う意味での発信で構いません。
散歩の風景を毎日更新するとか、何か取り組んでいることを発信するでも良いです。
自分の存在を知っててもらうのが大切です。
毎日見ているうちに、そろそろ行かなきゃなとなります。
新規集客のアカウントと別に分けて発信できると良いですね。
ちなみに酔っぱらって発信しないように注意しましょう。
【給料を上げるには?】
①売り上げを上げる
②キャリアアップする
③オーナーになる
①売り上げを上げる
「給料=売り上げ」なので、その通りです。
売り上げを上げるのは、上記の通りなので、今まで勉強しなかった分、今勉強していると思って頑張りましょう。
②キャリアアップする
美容師の給料は売り上げの他に、ランクによる役職手当があります。
副店長だと+3万円とか、店長は+10万円とか、マネージャーは+15万円など。
そのランクによって、役職手当が付きます。
そうすると例えば、基本給20万円、売り上げ歩合が10%、売り上げ200万円でマネージャーの場合。
基本給20万円+歩合給20万円+役職手当15万円=55万円の給料になります。
もし完全歩合で30%だったら
歩合給60万円+役職手当15万円=75万円です。
ボーナスが無くても、年収900万円です。
イメージ出来るでしょうか?
1000万円はすぐそこです。
③オーナーになる
これもキャリアアップの一つの手段です。
オーナーになると、自分の売り上げだけでなく、従業員の売り上げ分も少し入ってきます。
売り上げ200万円をアシスタント2名と自分の3人で始めるとします。
・アシスタントの給料 20万円×2人=40万円
・材料費10% 20万円
・家賃 20万円
・水道光熱費 5万円
・その他5万円
・貯蓄(税金用) 10万円
合計 100万円
売り上げ200万円ー100万円=100万円が自分の取り分となります。
ざっくりとした計算ですし、アシスタントの給料や家賃(場所にもよる)を少し高めに設定し、10万円貯蓄に回しても100万円ほど残ります。
たったこれでも、1200万円の収入ですので、やはり売り上げを上げることが出来るのであれば独立も良いのでしょう。
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ただし、「お金」で独立を決めると失敗します。
あくまでも「お金」ではなく、使命、生きがいでの独立じゃないと失敗するでしょう。
沢山見てきましたからね。
もちろん初めは給料も良くなったように感じますが、その時に遊んでいると3年でダメになるでしょう。
独立の際はお気をつけてください。
生涯勉強です。
【まとめ】
美容師でも年収1000万円を超えることは可能です。
平均給与が低いのは、就労年齢の平均も低いのでおのずと低くなりがちです。
それでもまだまだ業界としても低いですけどね・・・。
しかし、年収を上げる方法も沢山あるので、結局は自分の努力次第と言ったところでしょうか。
折角美容師を志した者同士、一生努力を続けていればおのずと売り上げも収入も上がりますので、安心して努力してくださいね。
今回は「美容師でも年収1000万円は可能!?では、なぜ年収が低いのか?」をテーマにして解説していきました。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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