生えては抜けて。
抜けては生えて。
髪の毛は抜けているのに、減ることは無く、増えることもなく、一定の量を保ちながら、私たちは生活しております。
そこには「ヘアサイクル」と言う、髪の毛の秘密があります。
今回は「ヘアサイクルって何のこと?」をテーマにして、美容師歴20年以上、オーナー兼現役美容師の私が、ヘアサイクルについて解説していきたいと思います。
最後までどうぞよろしくお願いいたします。
【ヘアサイクルって何のこと?】
髪の毛には、一定のサイクルで生えては抜けるを繰り返す「ヘアサイクル」というものがあります。
日本人の健康な状態の髪であれば、ヘアサイクルの期間は2年~6年と言われており、この期間の中で「成長期」→「退行期」→「休止期」という一連の流れを経て抜けていきます。
要は1本の髪の毛は、2年~6年ほどで抜けると言うことです。
そして髪の毛が抜けた後、毛根では2~3ヶ月ほどの「休止期」をはさみ、抜けた部分からまた新しい髪の毛が生えてきます。
この繰り返しをヘアサイクルと言います。
シャンプーやブラッシングをすると、髪の毛が抜けますよね。
髪の毛は平均すると、1日に80〜100本も自然に抜けると言われています。
知らないうちにこんなにも抜けているんですね。
女性の髪の毛は長いですから、お風呂場の流しが詰まりやすいのも分かりますね。
こんなにも抜けているのに、髪の毛が完全になくならないのは、このヘアサイクルがあるからとなります。
ちなみに、このヘアサイクルは一つの毛穴から20回程度繰り返されると言われております。
もしすべての髪の毛が3年でヘアサイクルが終わっていたら、20回繰り返すので、60年で生えてこなくなります・・・。
年齢と共に髪の毛が減ってくるのは、このあたりのバランスが影響しています。
それでは、この「成長期」、「退行期」、「休止期」の3つのステージをそれぞれみて行きましょう!
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成長期(2~6年)
成長期は、細胞分裂が活発におこり新しい髪の毛が太く長く伸びる期間です。
人間の成長と同じで、伸びる時は一気に伸びております!
健康な髪であれば一般的に2年から6年ほどこの期間が続きます。
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そんな成長期ですが、3つの段階に分かれいます。
・初期成長期
髪の毛が生まれる最初の段階です。
ヘアサイクルの終わった、古い髪が毛根の中で離れると同時に、奥のほうでは毛母細胞が分裂を開始し、新しい髪をつくり始めます。
離れたと同時に活動を始めるなんて働き者ですよね~!
・中期成長期
奥のほうで新しい髪が成長し、古い髪を押し出そうとする段階です。
この頃になると古い髪の毛は簡単に抜けるようになります。
シャンプーやブラッシングで抜けているのは殆どがこの時期の髪です。
抜けた髪の毛を見れば分かるのですが、通常生えている髪の毛を抜くと、根元に透明なものが付いていて、指などにもペタッとくっつきますよね。
しかし、自然に抜け落ちる髪の毛は、根元がぽつっと白くなっているので、くっついたりしません。
部屋に落ちている髪の毛や、ブラシにくっついている髪の毛を見れば自然に抜けているかどうかの判断が出来ます。
・後期成長期
最後に古い髪が抜け落ち、新しい髪が長く太く成長する時期です。
ようやく表面に髪の毛として出てきて、どんどん伸びるところですね。
髪は成長期1~3まで毛母細胞が活発に働き一般的に、男性なら約3~5年、女性なら4~6年育ち続けます。
※髪の毛のおよそ80%~90%がこの成長期の段階にあるといわれています。
ちなみに・・・
・AGA
ヘアサイクルのうち、この成長期が短くなる症状をAGA(男性型脱毛症)といっています。
女性でもホルモンバランスを崩し、男性ホルモンが優位に立つと同じ症状がおこります。
近年、この女性のAGA(FAGA)が増えてきていると言われています。
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退行期(2~3週間)
毛母細胞が寿命を迎え細胞分裂が減少し、髪が成長しなくなる段階です。
退行期とも言って、髪の毛が毛母細胞から離れて完全に成長をやめるまでに2週間~3週間かかります。
この期間はヘアサイクルの中の1%くらいの期間と言われております。
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休止期(2~3ヶ月)
毛母細胞での細胞分裂が停止し、休止期に入り脱毛が始まります。
成長が止まった後は、頭皮表面に向けて少しずつ押し出され、抜け落ちる準備をします。
2~3ヶ月間この状態が続いている間に、奥では新しい髪の毛の製造準備が始まります。
休止はしましたが、早速次の準備段階が始まっていると言うことですね。
休止期の状態は、ヘアサイクルの10%~20%を占めていると言われています。
髪の毛は個人差がありますが、平均的に約10万本あると言われております。
そのうち1日に80~100本ほどの髪の毛が自然に抜け落ちますが、生えてくる髪の毛もそのくらいありますので、このバランスが保たれていれば髪の毛が減ることはないと言う訳です。
しかし、ヘアサイクルの成長期の期間が短い髪の毛が増えてくると抜け毛の本数が増えて、徐々に髪の毛の本数が減り、薄毛になってしまいます。
そこで多くの育毛関連商品はヘアサイクルの正常化(成長期の延長や退行期へのシフトの防止)に働きかけて抜け毛を食い止めようとしています。
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【まとめ】
ヘアサイクルには「成長期」、「退行期」、「休止期」の3つがあります。
その中でも、成長期は更に3段階に分かれていて、髪の毛が伸びるのはこの成長期になります。
「退行期」、「休止期」は成長期が終わった後、抜けるまでと、次の成長期への準備段階と言えます。
ヘアサイクルの安定が、薄毛や抜け毛対策となります。
食事のバランスや睡眠、血行促進などを改善し、髪の毛のヘアサイクルを安定することが美しい髪づくりや、薄毛、抜け毛対策となりますので、参考にしてみてください。
今回は「ヘアサイクルって何のこと?」をテーマにして解説していきました。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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