美容師になるには、美容師国家試験を合格する必要があるのですが、美容師国家試験は「筆記試験」と「実技試験」の2つに分かれています。
その中で「実技試験」はさらに「カット」と「セット」に分かれています。
その「セット」も「ワインディング」と「オールウェーブ」の2種類あり、受験票と共に当日の試験がどちらになるか発表になります。
そこで今回は、「【美容師国家試験】実技課題「ワインディング」のポイントは?」をテーマに「ワインディング」に絞って、実技試験のポイントを解説していきたいと思います。
最後までどうぞよろしくお願いいたします。
【試験時間は20分!!!】
何はともあれ、試験時間は20分です。
どんなに上手く巻けていても、規定の本数を時間内に巻けていなければ不合格です。
まずは上手い、下手よりも、この「時間に入れる」意識から国家試験は始まります。
そうです。
受験でも新幹線の時間に間に合わなかったら遅刻です。
頭の善し悪しは別として、間に合わないのは論外となります。おまけはありません。
とにかく時間内に規定の本数を巻き終えます。
試験時間は20分。よく覚えておきましょう。
ちなみに「準備7分」、「後片づけ1分」も別にあります。
この「準備」の時間で、ロットやゴム、スプレイヤーなどの用具の他に、使用中トレイや消毒済みトレイも整えます。
また「後片づけ」の時間で、ウィッグの顔を拭いたり、その他周りをキレイに片づけます。
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【ワインディングの規定とは?】
美容師国家試験を受験する際には、必要とされる用具が十分に揃っているかどうかも、合否の判断となります。
不足している物が無いか、規格に合っていないものは無いか、用具についての条件違反として審査に影響しますので、学校で良しとされている物の使用をおススメします。
余計なものを使おうとしないのが国家試験では鉄則です。
ワインディングで1番重要なのが、ロッドですよね。
ワインディング試験の審査条件として提示されているのは、「4種類のロッド及びショートロッド」となっております。
4種類とは、中心の太さが10mm~13.5mmまでの異なる4つのタイプのものを用意することを意味します。
実際はウィッグにキレイにロッドを納めたいので、4種類以上のロッドを使用します。
学校で練習している生徒や、実際に現場で働いて入れ場その辺は分かりますよね。
本数については、ショートロッドを含めて50本以上55本以内という定めがあります。
ロッドは規定内であればスタイルに合わせて自由に使用することができるため、事前に必要な本数を考えて揃えておくと良いでしょう。
ただし使用するロッドは、「表面や長さに特殊な加工がされていないものでなければいけない」という決まりがあります。
学校で使用したものであれば大丈夫ですが、滑り止めの加工がされているものなどは禁止されているため、もしロッドを新しく揃える場合は中止してください。
【ワインディングの一連の流れとキレイに巻くコツ!】
「50本~55本のロッドを20分以内に巻く」と言うのは理解できたと思います。
では、具体的には20分間でどのような流れなのか?
キレイに巻くコツはあるのか?
解説していきたいと思います。
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【ブロッキング】
ワインディングの仕上がりの完成度は、ブロッキングによって決まるといっても大げさではありません。
ただし必ずしもブロッキングをしなくてはいけないわけではありません。
しかし「ブロッキングをキレイに取ることが体に染みついている」ことが大切になります。少しややこしいですが解説していきましょう。
ブロッキングとは、髪をパートに分けて、それぞれのパートごとに髪を巻いていく方法です。
髪を分けるという意味から、ブロッキングと呼んでいます。
ワインディングに慣れないうちは、下ろしたままの自然な髪の状態からいきなり巻きはじめても、キレイに巻き終えるのは難しいものです。
ですのでロッドを巻きやすくするために、先にキレイに髪の毛を分けておき他の毛が邪魔にならないようにする目的があります。
美容師国家試験の実技審査は、ロッドがキレイに巻き終えているか、整えられたラインで取られているかが大切なポイントとなります。
髪全体を10個の束に分ける、つまり髪を10ブロックにセパレートすることで、美しい仕上がりが作りやすくなります。
練習ではあらかじめ、ブロックごとに何本のロッドを巻くのかが決まっていますので、それに沿って練習に没頭するのみです!
国家試験のワインディングはいかに集中して没頭して巻くかが、合格の分かれ目です。
とにかく練習のうちに巻くことに集中するのを体に覚えさせましょう。
ちなみにこのブロッキング。
実技試験の20分のうちにやらなくてはいけません・・・。
ですので、実際の試験では時間に限りがあるため、10ブロックに分けず、センター、サイド、バックサイドのように、5つに分けることが一般的です。
・センターが命!
ワインディングはセンターのロッドから巻いていくので、ワインディングをキレイに巻き終えるには、センターをいかに美しく巻くかが大切なポイントになります。
センターが曲がってしまったり歪んでしまったりすることにより、その後の巻きの配置にも影響を与え、仕上がりが悪くなってしまいます。
ロッドが曲がらないようにするためには、「ウィッグを真っすぐにすること」、「ウィッグに対して真っすぐ立つこと」この2点です。実にシンプルです。
とにかくセンターがワインディングの命ですので、ウィッグの髪の毛がオールバックの状態から、キレイにコーミングしながら真っすぐセンターのブロックを分けれるように練習しましょう。
センターのブロッキングが出来たら、後はロッドが曲がらないように巻く練習を繰り返しましょう。
センターが巻き終わったら、次はサイドです。
・サイドは生え際と平行がポイント♡
サイドの仕上げを良く見せるためには、顔周りの生え際と平行にブロッキングをすることです。
平行にブロッキングをすることで、巻き終えた時にロッドが飛び出たり、隠れてしまったりすることを防げます。
また人の頭は丸いので、やや顔側に寄せるような気持ちで巻くと巻き終わりがしっくりくるので良いでしょう。
・最後はバックサイト!
次にバックサイドです。
バックサイドと言う言葉はおそらく美容師以外では使う業種も無いのでは?まぁ今は関係ないか。
バックサイドとは、耳後ろから襟足までの部分を言います。
実際はセンターとサイドをブロッキングした後になりますので、センターとサイド以外の部分だと思えば分かりやすいでしょう。
残った部分ですので、特に取り分けたりする必要はありません(笑)
ブロッキングの命はとにかくセンター!
これが重要です。
ちなみにバックサイドの巻き終わりは扇状になるので、ブロッキングは仕上がりもイメージすると取りやすいと思います。
【ワインディングのコツ♡】
ワインディングの細かな流れは①スライスを取る、②シェープ、③ロッドに巻き込む、④巻き込んでゴムをする。
この4つの流れになります。
①スライスを取る
ロッドをキレイに巻き込むのにはスライスを真っすぐ取ることが重要です。
基本の「き」です。
スライスが曲がると当然ロッドの収まりも曲がります。
ウィッグを真っすぐして、ウィッグに対して真っすぐ立ち、コームを真っすぐ線を引くようにしてスライスを取りましょう。
何度も練習しているうちに真っすぐスライスを取れるようになります。
スライスをイメージして取ることがポイントです。
また、ロッドの種類(太さ)によってスライスの幅も変わってきます。
太いロッドを巻くブロックのスライス幅は太いし、細くなるにつれて、スライス幅も細くなります。
ロッド幅に合わせるのですが、この辺は理屈よりも感覚が大事です。
体に染み込ませることですので、繰り返し練習しましょう。
②シェープ
シェープは、しっかりと根元からコームを通すことがポイントです。
コームの使い方が重要で、「地肌に軽く当たるようにしてから、指でコームを回します。」
スライスを取った毛束の途中からではなく、しっかり根元からコーミングするために、地肌にコームを付ける練習からしても良いでしょう。
しっかり根元についている状態で、回すように梳かします。
このシェープを、正確に手早く2回繰り返します。
3回でも1回でもなく、シェープは2回です。
シェープする角度は、ロッドを巻き込む角度にシェープすると仕上がりがキレイになります。
巻き込む角度をイメージして、根元から2回のシェープです。
また、毛束をシェープした後に、抑えている手を動かさないことも重要です。
意識して動かさないことに慣れないと、知らずのうちに手が動いています。
手が動くとせっかくキレイにシェープしても、毛束がずれたりして仕上がりの面が汚くなりますので、シェープして抑えた手を動かさないことにも意識しましょう。
③ロッドを巻き込む
ここが一番、慣れないうちは戸惑うことでしょう・・・。
髪の毛を巻き込むのがこんなに難しいとは・・・。
よく美容師さんは平気にやってるなと感じることでしょう。
巻き込み方は言葉で説明するのは難しいですが、一応。
ペーパーと髪の毛を人差し指と中指で重ねて挟み、毛先にロッドを合わせたらペーパーを下から抑えるように挟みながらロッドを巻き込みます。
言葉にするとこんな感じ。
毎日、ロッドとペーパーを持ち歩き、暇があれば練習することです。
電車の移動中でも、誰かを待っている時でも、トイレの用をたしている時でも・・・
今までにやったことのない動きですので、慣れるまではとにかく練習です。
美容師の仕事のほとんどは日常の動きではないので、時間があればやれることは練習のみ。
慣れるまではロッドとペーパーは持ち歩きましょう。
ペーパーとロッドで髪の毛を巻き込んだら、後は一気に根元まで巻き込みます。
この時、ちまちま手を持ち変えて巻き込むのではなく、手首を使って一回で一気に根元まで巻き込みます。
手を持ち変えるクセが付くと、そのクセを55回繰り返すので、トータルでかなりのロスになります。
55本程度は巻きますので、なるべく小さなロスも無いように、一気に巻き込むクセを付けましょう!
④ゴムかけ
真っすぐロッドを巻き込んだら、ゴムも真っすぐです。
ロッドに平行に真っすぐゴムかけをしましょう。
根元まで巻き込んだら、根元から一つ手前のゴムかけにゴムをかけて、その反対側にキレイにゴムを見せるようにします。
ちなみに
【審査のポイント 】
・ 輪ゴムの掛け方及びロッドの巻き収め状態を審査する。
【×の対象】
8-⑴ 輪ゴムの掛け方
次のいずれかに該当する場合
●1本1重に掛けられていない。
● クロスに掛けられている。
8-⑵ ロッドの巻き収め状態
次のいずれかに該当する場合
● 巻かれたロッドから毛先が出ている。
● 半数以上のロッドの表面に毛髪の浮きや重なりがある。
● 半数以上のロッドがベースから浮いている。
8-⑶ ベースからロッドの直径分以上離れてぶら下がっているロッドがある。
8-⑷ 巻かれていない毛髪が複数箇所にある。
今回はこれ以外での減点はありません。
用はきついゴムかけなどは審査の対象ではありません。
心配しなくても大丈夫です。
しかし、実技は実際の営業をイメージしてる方が現場でも助かるので、きついゴムかけはやらないようにしましょう。
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【タイムを縮めるコツが知りたい!】
繰り返しですが、ワインディングの試験時間は20分です。
20分という規定の時間内に決められた作業を終わらせなければいけません。
タイムを縮めるコツは3つ!
①ブロッキングを素早く正確に、②シェープは2回、③一気に巻き込む
ロッドを巻く本数は50本~55本です。
要するにブロッキング以外は、スライスを取って、ゴムをかけるまでを55回繰り返します。
巻く速度を早くするコツは、体で覚えてしまうことです。
とにかく反復練習で体に覚えてもらいましょう。
①ブロッキングを素早く正確に
センターを真っすぐ取ること。
センターを巻くときに、両サイドの毛が邪魔にならないように、しっかりコーミングして毛を寄せること。
最初の練習でやったようにゴムで止めてる時間はありません。
コーミングで髪の毛が邪魔にならないように寄せる練習も必要です。
②シェープは2回
先ほどもお伝えしてますが、2回です。
2回で角度と面を整えます。
3回やるクセが付くと、必ず何度も3回やってしましますので、時間の無駄になります。
2回で角度と面を決めれるように練習です。
③一気に巻き込む!
グルン!と一気にです。
手と手首を使って一気に巻き込みます。
手を持ち変えながら巻き込むのは一見丁寧に見えますが、実際は違います。
持ち変えるたびに面がずれるので、仕上がりは汚くなりやすいです。
ロッドを巻き込んだら一気にグルンです。
これが出来ると思っている以上に時間短縮になるでしょう。
この3点を気を付けるとワインディングの時間は縮まります。
もちろんロッドに髪の毛を巻き付ける練習やゴムをかける練習も大切です。
しかし、案外意外なところに時間短縮のヒントがあるものです。
この3点も意識すると一気にタイムが縮まりますよ!
参考までに♡
【まとめ】
試験時間は20分。
本数は50本~55本です。
美容師国家試験の合否は、練習量です。
今までの日常生活ではやらない動きになりますので、ぜひ空いている時間を上手に使って、手に体に覚えさせましょう。
ほとんどの美容師が何の苦も無くやっている技術ですので、練習さえすれば出来るので諦めずに繰り返しやりましょうね♡
応援しております。
今回は「【美容師国家試験】実技課題「ワインディング」のポイントは?」をテーマに解説していきました。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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